中国新聞
夢追う若者 サポート
「Will Be Stars」代表
  ふるた  ようこ
  古田 瑶子さん

Photo  みなさんの中には、第二の宇多田ヒカルさんや「モー娘。」を目指している人がいるかもしれませんね。「歌やダンスをならうなら東京」と思い込んでいませんか? 今回は、アーティストを目指す若者を育てるスクール「Will Be Stars」代表でシンガーソングライター古田瑶子さん=広島市西区=に、お話を伺(うかが)いました。
「ただ教えるだけでなく、常に成長を目指す現役でいたい」。熱い口調の古田さん(右)

 「カギは時間と労力」

私の少女時代 小6でミュージカル台本
 音楽が好きになったのは、ジャズやクラシックなどいろんなジャンルのレコードを家でかけていた父の影響。小学六年で、学校の発表会でミュージカルを提案して、台本も曲も全部作ったの。思えば、あのころすでにプロデュースする楽しさを知っていたのね。
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小学6年の古田さん。ピアノを習っていて、学校でもよくひいたそうです。

 西区の住宅街にあるマンションの一室に作られた録音スタジオを訪ねると、ソロやグループの少女たちが歌のレッスンを受けていました。「口をもっと開けて」「音程が合ってないよ」…。古田さんのアドバイスを聞く姿勢(しせい)は真剣(しんけん)そのもの。

 レッスンは歌が週一回で、日曜日は三人のダンサーが五時間みっちり踊りを教えます。現在、生徒は小学五年から十八歳までの女性ばかり二十人。広島市や近郊だけでなく、福山市や大竹市からも来ています。昨年は四人の少女ユニットがCDを発売。中国地方のイベントなどで活動しています。

 下関市生まれの古田さんは中区のエリザベト音大声楽(せいがく)科を卒業後、作詞や作曲などを独学。地元のテレビ番組のテーマ曲や、企業のイメージソングを作るなど幅広い活動をしてきました。

みんな熱心で楽しんでいる

小林ひかり(広島市佐伯区・五日市南中1年)

 一番に思ったのは、「みんないっしょうけんめい」ということです。そして、楽しそうです。先生は「私がいっしょうけんめいレッスンに励んで、子どもたちにも『先生もがんばっているのだから私もがんばろう』という勇気にしてほしい」といわれました。

生徒を大切に 輝かせる練習

戸坂 未来(廿日市市・廿日市中2年)

 古田さんの教室は一人ひとりの個性を大切にしていて、それぞれの特性に合った練習をしているそうです。みんなで歌うのではなく輝かせてあげるための練習とききました。生徒さんの事を一番大切にされていることがよく分かり、すごいと思いました。

 事務所とスタジオを構えたのは、二〇〇一年四月です。別の養成(ようせい)学校で一年半指導したのがきっかけで、「一人ひとりの個性を伸ばして、夢をかなえる手伝いをしたい」と思ったからでした。

 古田さんは、学校の友達関係や恋の悩みなどいろんな相談にも乗ります。しっかりコミュニケーションを図って、性格がソロかグループ向けかなどを判断する材料にするそうです。

 アーティストへの道は非常に厳しいものがあります。なぜ、あえて広島で育成に取り組むのでしょうか。

 「今は、まず地方で愛されながら実力を積んでから、オーディションを受けて東京に打って出る時代」とのことです。

 生徒の歌を収録(しゅうろく)したCDを自主制作したり、地域のイベントへの出演やCMソングを歌うなどいろんな活動の機会を準備します。五月のひろしまフラワーフェスティバルでも、ステージに出演して練習の成果を披露(ひろう)するそうです。

 古田さん自身も、米国で教会のゴスペルコーラスに参加したり、都内でライブを開くなど、努力を重ねています。「現役として挑戦し続ける姿を生徒に見てもらいたい」。今月二十九日には、自作を歌ったCDを初めて全国発売するそうです。

 「時間と労力をどれだけ掛けたかが、夢を実現できるかどうかのカギ。才能は努力から生まれることを、生徒に伝えたい」。生徒の夢にとことん寄り添おうという気迫(きはく)を感じました。



 もりあがった子ども会行事

徳広 彩(広島市南区・段原中2年)

 3月23日、子ども会の文化祭があり、ジュニアリーダーで司会として参加しました。今年は30回ということで、例年にない企画も行われました。
 各町子ども会や運動部、似島学園小学校などが歌や踊りのほか、銭太鼓手話をしながら歌うなど工夫、一生懸命発表をしていました。彩太鼓による、沖縄風エイサーや三宅島祭り太鼓などは、一緒に掛け声をしてすごくもりあがり、みんな笑顔いっぱいでした。
 午後から相撲大会があり、立派な土俵もつくってありました。男の子は上半身はだかで、ズボンの上からまわしをつけていました。もちつきもあり、地域の方もたくさんこられていました。とてもにぎやかで楽しい一日となりました。準備などで大人の方は大変だと思いますが、これからもずっと続いてほしいです。

 神楽を通して初の国際交流

長尾 崇霧(広島市安佐北区・亀山小6年)

 僕は小学1年から、亀山子供神楽に入っています。今までの主な活動は、老人ホーム訪問、公民館や児童館祭り、アステールプラザでは、国際交流も体験しました。
 老人ホームの訪問では、おじいさんたちが涙を流しながら拍手をしている姿を見ると、やって良かったなと思いました。初めての国際交流はとっても緊張しました。言葉は通じないけど、お互いの国の芸能発表を見ていると、何かしら伝わるものがあり、一つになれたような気がしました。
 これからの活動は、4月にガラスの里でリニューアル記念として舞うことが決まったので、練習にはげんでいます。
 ちなみに僕は、悪狐伝(あっこでん)のきつね役です。これからもいろいろな人に見て喜んでもらえるように、この伝統芸能を受け継いでいきたい。


第75号
2003.4.6

大きくなったらアーティスト養成


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